特報:うっくんさんの桜桃実生レポート

今日は当ブログの桜桃関連記事で

貴重なコメントを寄せて頂いていますHN”うっくんさん”の実験レポートです。



先日、当ブログで”酸果桜桃の実生実験”をアップしていますが、

うっくんさんは味わったさくらんぼの種を保存して置き、

ご自身が播種実験を試みて居られました。



先日、その播種によって得られた実生苗の発根状況を

デジカメ画像添付のメールで頂戴していました。


拝見した時、私はその根鉢の見事さに驚きました。

そして、この知見は是非皆さんに紹介したいと思いました。

早速、その旨をうっくんさんにメールしましたら、

”是非皆さんのご意見を頂きたい・・・”との事で、

ブログ・アップのご快諾を得ております。



先ずは、昨年の実生で発芽・発根した

貴重な8本の苗をご覧下さい。

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播種後、植え替え無しでそのまま1年間同じ鉢で栽培したようです。

浅鉢だったので、根鉢が曲がったのではと・・うっくさんの見解です。




この桜桃実生の実施状況の概略です。

種の採取時期: 2年前の6~7月頃

保存時の種の処理: 水で洗い、浮いた種は除外

保存法: ビンの中に湿った川砂と共に入れて冷蔵庫へ

昨年3月: ビン越しに発芽している種が見えたので

即刻、育苗箱に播種(市販培養土)

特に鉢カバーなどの保湿処理はしていない。

使用した種の数: 約200~300粒くらい

※花育苗箱 深さ7cm縦35cm横28cm 底面は、細かな網目状

@ ビン中の発芽種は10粒ほど有ったが、

さくらんぼ品種を不織布で仕切っていたため、

絡んで根が取れてしまい発芽した種は3粒程度となった。

他の種は殻を付けたまま播種している。




今回の実生苗から、

根鉢の様子をアップしています。

コルト台に匹敵するような細根がたっぷり付いています。

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うっくんさんは、この実生苗の使い方に悩んで居られる様です。

台木にして良いものか・・?

このまま育てて、実を付けてみるのは・・?

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皆さんなら、この実生苗をどう利用されますでしょうか。




うっくんさんは、今年も昨年の保存さくらんぼ種を播種しているようです(3/10)。

折角蒔いた種を掘り起こして、

送って頂けるとの事で、

私も実生実験に参加することになりました。

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掘り起こした種と発芽し出した種も有るようです。




うっくんさんの研究熱心振りを少し紹介しますと、

桜桃の接ぎ挿しでは、コルトのゴボウ根を台にして成功したようです。

また、現在花芽付き穂木の接木も実施中のようです。

花芽の数を制限して接木されていますので、

活着の可能性は私の2年枝の長果枝よりはるかに高い成功率だと思います。



不思議な事に、

同じ頃に似たような実験をしている事が多くて、

恐らくうっくんさんも私と同じ様に驚かれている事でしょう。



うっくん様

この度は貴重な実験資料やデータのご提供、

大変ありがとうございました。

うっくん様の桜桃栽培が、ますます発展します事を祈っております。





・・





3月25日:うっくんさんから桜桃の種がメール便速達で届きました。

早速、殻割りを行い胚を取り出し、

胚表皮を剥ぎ取りました。



種は萎縮した胚もなく固く良質でした。

ペンチで殻割りの時幾つかの胚を割ってしまいました。

うっくんさん貴重な種を申し訳ありませんでした。

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この鉢で86粒くらいを播種しています。




2cm程覆土して灌水後保湿ビニールを掛けました。

5,6粒の種は観察用にペットボトルで水栽培しています。

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うっくん様

貴重な種をお譲り頂きまして、

本当にありがとうございました。




この記事へのコメント

うっくん
2011年03月25日 16:42
しおさん ありがとうございます。
分かりやすくまとめて頂き助かりました。

しおさんの記事の中で、紹介して頂いていますが、
実生苗の使い方について悩んでいました。
我が家では、コルト台の供給量がないに等しく
(今年は1本のみ)台木不足の状況です。

行き着くところは、コルトだと思っているのですが、
安定供給が出来るまでは、
1年でも早く台木となるものが、ほしい状態です。

先日、S.F.Takaさんの穂木提供の話があった時には、
台木がなくて、とても残念な思いをしていました。

そこで、実生苗を台木にしたらどうか?と思い
インターネットで調べてみたのですが、
見つけられないこともあって、
しおさんからアドバイスを貰おうと思い
メールをしました。

実生苗なら1年で台木が出来ますので、
有効活用が出来るかな?と思った反面、
収穫までしてみたいとも思いますし、
みなさんなら、どうされますか?
ご意見をお聞かせください。お願いします。

この場を借りて、ひとつ補足させて頂きますと、
成長が悪い実生苗がありますが、
これは先に成長していた苗の日陰になっていたことが原因と思います。
鉢を変えて、陽あたりを良くすれば、
もっと成長した気がします。
しお>うっくんさん
2011年03月25日 17:26
うっくんさんこの度は貴重な実生データのご提供、ありがとうございました。

実生苗に大小はあるものの、根鉢はどれも素晴らしいと思いました。仰る様に早めに鉢上げで栽培しますと良苗になるのでしょうね。

さて台木としての活用ですが、桜桃苗で共台という商品は見かけませんですね。これには何か理由がありそうな気がします。その反面、さくらんぼ園で見つかる偶発実生の新品種は、しっかり結実まで生長するわけですよね。この辺が不可解なところです。
何方か適切な解説を提供して下さると、助かりますね。

品種確保の手段として、一時的な台木として利用する限りは使えるのではと私なりに考えています。
収穫株として将来的に残したい場合は、その苗から青葉台やコルト台に更新する手があると思います。

私のところでは、下の畑に直挿しのコルト台を試験的に挿木しています。上手く行きますと苗は小さいかも知れませんが何本かお送りできます。台木不足の足しになるかも知れません。

今日頂いた種を播種して、先日の酸果桜桃の隣に並べていましたら、酸果桜桃の鉢で2本ほどが発芽していました。今後、何本発芽してくるか楽しみになりました。
うっくん
2011年03月25日 20:04
共台がないのは桜桃種の発芽率の問題と
それ以上に優秀な台木があるからなんでしょうね。

とりあえず、小さな苗はビニールポットに
大きめな苗は7号スリット鉢に植えつけましたが、
いくつかの苗木の葉芽が展葉を始めていました。

今年は、このまま成長を見守る様ですかね。


台木の提供のお話を頂きありがとうございます。
しおさんの所も色々と台木が必要でしょうから、
お気になさらないでください。


一昨年前の接木挿しで失敗してから、
コルト母木がない状態でしたが、
昨年導入した新苗のコルト根の太い部分(ゴボウ根)
を切り取り、さらに2本にして、
一本は接木挿しへ使い、
もう一本は母木用にと挿していたものが、
無事に成長してくれました。
これによって、
毎年、少しづつでも台木の確保ができそうです。^^

PS.9月の終わり頃に取り木をこころみたところ、
木の枝の途中から根が発生しました。
1本だけですが1年早く台木の確保できました。
しお>うっくんさん
2011年03月25日 20:31
そちらも台木の確保には苦労されていますね。
母木を用意しておきますと、穂木の確保がし易くて有効ですね。今年は台木不足でして、この母木の枝も使ってしまいましたので、改めて母木を作る必要があります(^_^;)。
うっくんさんも台木が増えそうで安心しました。

コルトの取り木とは、意外な発想ですが手っ取り早くて急ぎの時は有効ですね。お見事です


S.F.Taka
2011年03月25日 20:46
これは面白い実験です。実生の発芽に関して農業試験場のものより上の知見が得られているのかもしれません。しおさんとうっくんさんの実験に注目していく必要がありますね。
台木に関しては、早い話が実生では安定したものが得られないので、青葉を使ったりコルトだったり、その昔は(ぅわっ!地震だっ!!)マザートを使ったわけですが、コルトを別として青葉は昔から桜類の台木として安定して使われていましたし、マザートは実生発芽が良く、その実生の形質も揃っているので台木として使われていました。ただ接ぎ木したものは大木になりやすく、後年は使われないようになりましたが、ウチにもマザートのナポレオンがかつてありまして、ひこばえを伸ばしてみたらちゃんと実がなりました。
商用と考えると、発芽率が最低でも90%は欲しいところで、さらに形質が揃っていることが求められます。
その点で、実生台木が一般的にならなかったのだろうと思います。
しおさんにお送りした山形県園試のレポートもたしか昭和30年代のものでなかったかと思います。その当時は研究機関でも実生を何とかしようと考えていたんでしょうね。
お二人の更なる研究成果を期待します。
S.F.Taka
2011年03月25日 20:50
てか、何だか異常にレベルが高くないですか、このしおさんのブログ。。。
趣味の域を超えているような気がしますが、、、
日本一の果実
2011年03月25日 21:16
私も実生は大変興味があります。
これは桜桃に限らずですが。
実生でも良い根をしていますね。
これであれば台木にもなりそうですね。
ただ私的にはこのまま実を付けさせたいのですが、何年かかるのでしょう。
鉢で頑張っても4~5年はかかるのでしょうか。
面白いものが出来ると良いですね。
しお>S.F.Takaさん
2011年03月25日 22:16
余震3でしたね。
なるほど、桜桃の実生繁殖では発芽率の悪さで使えなかったんですね。
うっくんさんの実生苗を見る限り、根鉢の良さは抜群ですので台木には理想的かと思いましたが、この様な実生苗が台木として使用されていない疑問が解けました。
明快な回答、ありがとうございます。

うっくんさんも私も、単にさくらんぼ好きと言う事なんです(^_^)。
しお>日本一の果実さん
2011年03月25日 22:20
S.F.Takaさんのコメントで疑問が解けました。
これなら発芽率を確保出来ますと、台木として有効ですね。
実生から新品種は夢がありますが、長丁場過ぎてお若い方にお任せしたいところです(^_^)。
うっくん
2011年03月26日 01:41
S.F.Takaさん>ありがとうございます。台木として流通していない原因が分かり、とてもすっきりしました。接木相性以前の問題なんでしょうね。我が家は狭いので大量の台木を作る場所もなく実生苗の方が案外に良いかも?という感触が得られました。今年の秋に、S.F.Takaさんの育成した桜桃のバックアップ苗をしおさんから頂けるようなので、いまから楽しみにしています。どの台木を使おうか悩みに悩んでおきます。

日本一の果樹さん>ありがとうございます。台木として充分に活用できることが確認できてうれしい限りです。また日本一の果樹さんの仰るとおり、私もこのまま収穫まで、こぎつけたい気持ちが、どこかで強くあります。何本かの実生苗は結実まで、頑張ってみようと思います。

しおさん>ブログのスペースを お借りできて、ありがとうございます。
台木の有効性がより確信へと変わりました。以前、安売り苗を買ったときにびっくりするほど根が乏しく、いまだに成長が悪いことから根の状態は、とても大切だと思っていました。実生苗を取り出したときには、あれ?もしかして?と感じたのは私だけでなかったことが確認できてよかったです。

発芽率については、殻を割って蒔いたらどれくらい発芽率が上がるか楽しみです。私もマネしてしまいました^^;
吉報をお待ちしています。
しお>うっくんさん
2011年03月26日 07:25
うっくんさん、もやもやが吹っ切れてスッキリしましたね。
どうやら桜桃の実生苗も趣味レベルでは有効利用の可能性が見えてきたように思います。
今回の殻割り・胚表皮剥離播種で発芽率が多少なりとも改善できましたら嬉しいですね。
結果は、またブログで紹介したいと思います(^_^)。
ホワイトモグタン
2011年03月26日 10:29
これは大した実験をされましたね。
なるほどと思い、拝見させていただきました。
よく覚えてないのですが、確か、去年だか一昨年だったか(それすら覚えてない)に、サクランボの時期に山形のリス仲間の方からサクランボ(品種忘れました)をいただきまして、その時に出た種を何十粒溜めてから地下蒔き(黒土に)しました。(この方は時期になると毎年送ってくれます。(^^))
特別な処理は一切しませんでお遊び程度で蒔きました。
それで先日、しおさんの播種記述を見て確認したところ、数本生えていました。
発芽率は一桁代と思います。
いつ発芽したのかは分かりません。
以前にも同じ感じで蒔いた記憶がありますが、確かにそのままだと発芽率は非常に悪いです。が、全く発芽しないと言うわけでもないようです。
私の場合は何の実験にもなっていませんが。(^^;)
この前、その苗を畑に移植しましたので後でお見せいたします。
しお>ホワイトモグタンさん
2011年03月26日 11:41
ホワイトモグタンさんもさくらんぼの種を蒔いていましたか。仰る様に全く発芽しないわけではないようですが、その発芽率が低いのは確かの様ですね。
そちらの圃場でしたら、実生苗をじっくり養成して新品種の登録・・なんてことも夢では無さそうな気がします。
ウチでは絶対出来ない取り組みですので、そちらの生長を楽しみにしています(^_^)。
tangor農林8号
2011年03月26日 13:25
この間からの一連の桜桃実生についての記事をとても興味深く拝見しました。私はアメリカンチェリーが好きで、よく季節に沢山食べてそのまま庭に蒔いていたのですが、ちっとも生えなくて、なぜかと思っていたのですが、いろいろと秘訣があったのですね。
うっくんさんが実生の実を生らせて見たいのであれば、もし他に桜桃を栽培されていたら、そこの1枝にその実生を穂木として接いだら少し結実が早まるのではないかと思いますが、いかがでしょうか・・・。
しお>tangor農林8号さん
2011年03月26日 14:09
tangor農林8号さんはアメリカンチェリーでしたか。今度蒔く時は胚を取り出して胚表皮を剥離してみて下さい。発芽率が上がるかも知れませんですよ。

実生苗の穂を接ぎ木して、実付き年数を早める方法は良いアイデアですね。確かキウイの実生から新品種を捜す時に良く用いられる手段ですね。
仰る通りで、早く決着がつきますね。
うっくん
2011年03月26日 14:40
ホワイトモグタンさん>実験と言う大それたものでなく、私もお遊び程度で種を蒔いた感じでしたから、それほど実生苗について期待した訳ではなかったのですが、思いのほか良く、少しびっくりしました。ホワイトモダンさんの実生苗もぜひ見てみたいです。

tangor農林8号さん>穂木として接げば良かったんですね。もしかしたら来年には収穫が出来たかも?と今思うと残念でなりません。^^;既に葉芽が何本か動き出してしまいましたので高接ぎするには時期を逸してしまいましたかね。いや、まだ動いていない芽があったので悪あがきをしてみようかと目論みしてみます。